【前回記事を読む】訛りが強い80代女性からの相談を全く聞き取れない若い担当者。何度も聞き返して怒らせそうに…。私の偏見だが、若い人は…
事例と解決篇
第2章 うちでは対応できない?
【事例5】
事例5の問題点の分析 なぜ、こうなる?
・その場に持ち込まれたものを、最大限利用する
私は祖父母が身近な存在で、自然に方言や訛りに馴染む環境にありましたので、その相談者が話していることは部分的にでも聞き取ることができました。そのため、何かの手続きがしたいことまではわかりました。
また、バッグに何かの冊子が入っているのが見えたため、「それは手続きのため、今日お持ちいただいたものですか」と聞いたところ、取り出して付箋を貼ったページを見せてくれました。そこでようやく、何を手続きしたいのかがわかりました。
事例3にもありましたが、その場に持ち込まれた話題や言葉、対面であれば身に着けているものが見えますので、それらを最大限利用することも、解決に導く鍵となります。
事例5のまとめ
[結果]
その場に持ち込まれた数々の材料で話をつなぎ、目的である手続きにこぎつけることができた。
[ポイント]
・一言一句がわからなくても、聞き取れる部分から話の内容を推察することが重要。
・推察できても勝手にわかったつもりにならず、相手が言いたいと思われることを要約して確認する(第4章2.(2)参照)。
・困った時は、その対応を一人で行ってはならない。
・人目があるところで何度も聞き返されると嫌な思いをさせてしまうかもしれない。そのため、クレーム対応の章でも述べた通り、きちんと聴きたいという理由を告げて、別室に移動し、必要であれば筆談も用いながら対応する。