【前回記事を読む】「そっちの間違いだから責任を取れ」←なぜか攻撃的だが、そもそもこちらの間違いではない…【クレーム“あるある”から導く対処法】

事例と解決篇
第一章 クレーム対応

【事例1】

事例1の問題点の分析(2) なぜ、こうなる?

相談者は対応者側が悪いと思って訴えてきます。真実は別にあり、相談者の思い込みであったとしても、相談者の中では対応者側が悪いということが事実になっています。そのため、自分が折れるという気持ちには到底なり得ません。

私のように、対応者が公務員の場合、「市民への奉仕者」や「公僕」が拡大解釈されていると感じざるを得ない場面に何度も遭遇しました。

公務員は、日々住民サービス向上を目指して仕事をしています。そのため、結果として過剰なサービス提供になっていた面もあるのかもしれません。

そうなると、「やってもらって当たり前」という風潮がいつの間にか根付いてしまいます。言えば応じてくれるだろうと要求もエスカレートし、それに対してお客様ファーストで応じてしまえば、結果として過剰なサービス提供になるという悪循環が起きていたことも考えられます。

また、物事を一面的に捉える人もいれば、多面的に捉える人もいます。これはその人本来の個性であったり、周りの環境であったり、といった背景が考えられます。

一面的に捉える傾向のある人であれば、この事例の相談者のようになりやすいのかもしれません。ただし、多面的に捉える傾向のある人であっても、感情的になって気持ちに余裕がない状態に陥れば、やはり同様の状況になることが考えられます。