「伴造」

「國造」に似ている「伴造:とものみやっこ」は何を意味しているのでしょうか。

書紀の中で「伴造」は「臣・連・伴造」として、群卿・公卿・群臣・官僚と共に、朝廷に居る政府の中枢を構成しているメンバーとして記述されています。

先の國造と同様に「造」が「士長」を意味するとすれば。「伴」が「はべる、したがふ(陪)、ともなふ」という意味ですから、「伴造」は「宮廷(王)の守護職」ということになり、近衛兵の長達のことを意味しているようです。

例えば「門ごと、宮ごと」の守備兵の長であったことが考えられるのです。それを裏付けるような記述が推古紀にあります。

「十年春二月一日(己酉・ツチノトトリ) 来目皇子を撃新羅将軍とし、諸々の神部と国造、伴造達、併せて二万五千の軍勢を授けました」(著者訳)

即ち、来目皇子に授けた軍勢は「國造と伴造」の兵士達だと言っているのです。國造も伴造も軍事集団だとしているのです。「神部」を軍勢に加えているのは戦いに勝つために神の力を借りるという意味でしょう。

  

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