その1 始まり
30番台教室自主使用まで
サークル活動をしていく中で、みんなで共有できる空間があるということはとても大切なことであった。
ところで、この方針がサークル部室問題にあまり関心がない、多くの学生にも受け入れられるためには、「部室のないサークル」が自主使用を始めた「30番台教室」に入って、できるだけ大衆的に盛り上げる必要があった。
現在、「サークル協議会」が中心に行っている「30番台自主使用」の正当性を、戦闘的にビラで訴えるというやり方だけでは、一般学生の支持を得られない。一般学生の支持の裾野を広げるためには、すべての「部室のないサークル」がここに結集することが必要であった。ということで、私も、身近な仲間をここに誘ってみることにした。
私は、「社会経済研究会」以外にも、大学に入学して間もなく始めた「濫觴(らんしょう)同人」(「濫觴」とは、「物事の始まり」という意味である)という同人誌に参加しており、私を含めて同学年の4人の仲間がいた。
大学は、喩えれば広い海のようなもので、自分がやりたいことや仲間を探すためには、まず何か自分で始めなくては一歩も進まない。そして、このような状況により、いろいろなサークルをかけ持っている学生も見受けられた。