ある距離まで来たら動かなくなり、じっとこちらの様子を窺っています。黒猫さん、三毛猫さんは興奮して臨戦態勢です。ぎんちゃんは、これは喧嘩の前触れだと思いました。膠着(こうちゃく)状態がそのまましばらく続きます。
伝言係のカラスさんは知らん振りで、もう家のひさしの下の棲み処に入っています。
ぎんちゃんには、この膠着状態を打破する手立てはありません。黒猫さんは毛を逆立てています。意外と三毛猫さんは冷静です。飼い猫は、飼い犬とも遊んだことがあるから慣れているのかもしれません。
その場を察した三毛猫さんが山に向かって歩き出します。黒猫さんは驚いて止めに入りますが、三毛猫さんに怒られて黙って戻ってきます。
三毛猫さんは、近くまで行ったところから、何やら鳴き始めました。飼い猫らしい鳴き方です。柴犬さんに何かをアピールしているようです。柴犬さんが急変して、動きが大きくなりました。
そして、三毛猫さんが柴犬さんを連れてゆっくりと戻って来ました。
【前回の記事を読む】人間は、生き物に、可愛いとか可哀そうという一方的な感情で接するね。その対象となった犬や猫は、本当に不幸だと思うよ。