四 波乱万丈の里山生活

その三 言いたい放題の早朝の会

ぎんちゃんも下手なことは言えません。皆は、次にどんな懺悔話が出るのかと少々恐怖心が増して来ているかのようでしたから。

今度は、一緒に都会からこの里山に移住した仲間のカラス、カマキリ、次は雉、そして次に蛇などの懺悔話にならないかと……。だから、みんな黙ってしまいました。

 

その場を察してか、飼い猫から逞しい野良猫に変貌した三毛猫さんが、強い口調でぎんちゃんに言います。

「ところで、柴犬さんをどうしたいの。命を救いたくないの。同じ失敗をしなければいいのでしょ。早く決断しなさいよ!」

三毛猫さんの強い口調に皆が驚きます。それ以上に、飼い猫からの豹変ぶりに驚いたのかもしれません。

ぎんちゃんが、とうとう決断します。

「カラスさん、柴犬さんを連れて来てください。一緒に暮らそうと言ってください」

三毛猫さんが言います。

「今度は失敗しないでね」