第1章 痛みの原因を考える・「なぜ痛くなるのか」を知ってほしい
なぜ痛くなるのか
③長時間動かさなかったため血流が滞る
関節の曲げ伸ばしを含む、身体の動作のすべては体内のエネルギーを使って筋肉を縮めて発生しています。その際エネルギーの残りかすとして乳酸という老廃物が出ます。身体が動いているときは力を抜いている状態もあるので、筋肉が縮む・緩むのポンプ作用で乳酸が筋肉から出るのですが、座っているときは座り姿勢を維持しているだけでも筋肉が強く働いている状態です。
動いていない状態で筋肉に力を入れ続けると乳酸が筋肉の中に溜まり、硬くなります。これが「デスクワークをがんばったら首肩まわりが凝り固まっちゃってさ」とか「ただ座っていただけなのに腰が痛くって」という状態です。
解決策としては長時間同じ姿勢を取り続けないことですが、そうは言っても授業や会議の途中に立ち上がったり歩いたりというわけにもいきません。そこで時間を決めて身体を動かすのがおすすめです。生活に運動を取り入れるのが一番いいのですが、そうでなければたまに立ち上がってストレッチをするようにしましょう。
手が空いたら、きりがいいところで、昼休憩になったら、ではなく、三十分がんばったら五分やる、CD一枚分の時間作業したら十分やるとか、授業の合間の十分休憩のときとか、自分のルールを決めてしまうのです。少し歩くでもいいですし、家の中なら屈伸、第8章で紹介するストレッチもおすすめです。屈伸→背伸び→肩を動かすなど、自分なりのルーティンを決めてしまうとより良いでしょう。やっているうちに習慣になり、何も考えなくてもできるようになります。