【前回の記事を読む】あなたもやってるかも!? 痛みの原因になる「ダーウィンの進化論立ち」を避けるだけの1日2秒で人生が変わる!

 

第3章 ケガの予防・日常の中に潜む危険

つまづき

②筋肉の衰えや疲労

太ももの前の筋肉・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が膝を持ち上げ、むこうずねの筋肉・前脛骨筋(ぜんけいこつきん)がつま先を持ち上げる動作をしています。そして前脛骨筋は身体が前に倒れないように踏ん張る筋肉でもあります。

猫背で前傾姿勢になって歩くと、加重が前にかかったときに過剰に負荷がかかる筋肉なのです。そのため、猫背の方は前脛骨筋が疲れてしまって充分働かず、つま先が上がりにくくなり、ちょっとの段差でつまづいてしまうのです。

前脛骨筋は膝から下の脛骨(けいこつ)という骨と腓骨(ひこつ)という骨の間にあります。鶏の手羽先の間にあるお肉のイメージです。そのためストレッチで伸ばしにくく、しかしながら歩いているときにつま先を上げるとき、車の運転中にペダルを解放するときに使うなど出番が多いため、不調が出やすい筋肉です。

筋肉は衰えさせないことが大事です。七十代からがんばれることはあまり多くありません。四十~五十代の若いうちから膝を上げることを意識して大股で歩きましょう。

小股でちょこちょこペンギンのように歩く方は特に要注意です。靴底のつま先ばかりがよくすり減る方、ザッザッと靴と地面のこすれる音がよくする方は膝やつま先が上がっていません。小股でちょこちょこ歩くよりも、大股でゆったり歩いたほうが、実は目的地に早く着きます。今日から大股で、前後に大きく手を振って歩く癖をつけましょう。