【前回の記事を読む】こんな人は要注意! 猫背や小股歩きはつまずき・転倒の原因に…。日常に潜む危険を予防する歩き方とは

第4章 痛くなる部位別、痛みの原因と対処

私の治療院に来る方と訪問治療で伺う方を合わせると、腰が痛い方が六割、肩が痛い方が三割、膝が痛い方が二割、肘・足首などその他が一割くらいです。十割超えたじゃないかと思うでしょうが、肩も腰もという方がいるからです。

ここからは身体に痛みが出る原因を部位別に、そもそもどうして痛みが出るのか、ということを解説していきます。

 肩こり・首の後ろの痛み

肩の痛み、だるさ、重さ、硬さを総称して肩こりと表記します。慢性的なもの、デスクワークやパソコン作業のやり過ぎが原因のものに限ります。ズキズキ感を感じるものは何か別の疾患が隠れているかもしれませんし、左肩のみに放散する痛みを感じる場合は心筋梗塞(しんきんこうそく)の症状の可能性もありますのでお医者さんに相談しましょう。首肩まわりの筋肉の硬さが原因の痛み、だるさだけが対象です。

肩こりも四十肩も俗称で正しくは頚肩腕痛(けいけんわんつう)、もしくは肩関節周囲炎といいます。肩関節というと、身体に腕の骨が嵌(は)まっている部分のことを指しますが、肩の痛みを訴える方は首の付け根から背中の上側、肩関節までの大きなエリアを指すことがほとんどです。そのため本項では、両方含めて説明します。

肩関節は茶碗にボールが入っているような、ボールジョイントの形をしています。もちろん骨が嵌まっただけだと簡単に外れてしまうので、多くの筋肉や靭帯(じんたい)で支えられています。そのためちょっとしたことで不調が出やすいのです。

肩こりの原因の多くは

①同じ姿勢を続けるため血流が滞ってしまう

②特定の範囲内でしか肩関節を動かさない

③身体に力を入れて筋肉が固まってしまう

の三つです。

それぞれ詳しく解説していきます。