第1章  痛みの原因を考える・「なぜ痛くなるのか」を知ってほしい

なぜ痛くなるのか

私ははり師・きゅう師資格を取ってから九年間患者さまと向き合ってきました。その臨床経験を経て思うのが、そもそも大人になってから走って転んで痛くなって…… というように、外傷が原因となって痛みが出る方は少ないのです。

普段の仕事の姿勢、荷物をどちらの肩にかけるか、よくやる動作など、ちょっとした癖の積み重ねで痛みが出ている方がほとんどです。仕事が原因で痛みが出るなら、じゃあ辞めてしまえ!  家事なんかせんでいい!というわけにはもちろんいきません。普段の生活や仕事の姿勢を変えられないならストレッチなどのセルフケアをするか、ケアを外注するかです。

本書では痛みの原因を症状別に説明していきますが、何か別の疾患が隠れている場合や、転んでしまったとか、転落したとか、大きなきっかけがある場合を除けば、自覚できる身体の外側の痛みの原因のほとんどが以下のどれか、もしくは複合型です。

①姿勢が悪い

②筋肉が硬い

③長時間動かさなかったため血流が滞る

④力の入れ過ぎ

⑤使い過ぎ

⑥筋力低下

ひとつひとつ、詳しく解説していきます。