③長時間動かさなかったため血流が滞る
二〇二〇年の新型コロナウイルスの大流行によって、テレワークが推進されました。通勤がなくなったことによって楽になった人もいるかと思いますが、通勤って結構運動になっていたなって思いませんか。特に電車通勤だと、自宅から駅まで歩き、駅の階段を上り、乗り換えで歩き、電車内で立っているときにもよろけないために体幹を使います。
しかもテレワークできるとなると、パソコン作業が中心になるような職種でしょう。一日八時間以上パソコンに向かいっぱなし、ちょっと離れた給湯室にコーヒーを淹れに行きつつ脚を動かすということもなくなります。家の中にこもっていると、一日数百歩くらいしか歩かなかった、なんて話もよく聞きますね。
通勤のために仕方なくでも出かける支度をし、外に出ていれば「ちょっと遠回りして帰ろうかな」「少し散歩がてら歩こうかな」というのはたやすいのですが、外に出る用事がないのに出かける準備をして、運動しようとなるととても億劫(おっくう)です。その結果何が起きるかというと、運動量の低下です。
運動量が低下すると、血流が低下し、筋肉が固まり、コリの原因になります。肩・腰の痛みによくありますが、パソコン仕事や授業中、長時間筋肉を動かさないと血流が滞ります。
血液は酸素だけでなく身体のあらゆる栄養素や水分を運んでいる大事なものなので、不足するとまず重だるさが出ます。そして特に対策も取らず血流が改善しないと、身体からの警告として痛みの警報が出るのです。
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