A 総論 はじめに
A-04 大学時代から教員時代を振り返り,研究の再開へ
大学,大学院時代の経験からつかみ取ったこと
3─教職に就いてから
地元岐阜県の中学校の理科教員になりました。岐阜県内の中学校や小学校にて,理科を中心に各教科を教え,一教員として働く毎日でした。
教育現場は非常に厳しく,実質勤務時間も朝7時30分ぐらいから,真夜中に帰宅することもしばしばでした。
土日も部活動や行事でほとんどつぶれ,教科指導だけでなく,学級経営も容易でなく,「研究」の文字も頭から消えたというか,やれるような状況にありませんでした。
数年の歳月が流れ,いつか研究ができるようになれば良いがと思い続け,時々理科教育や情報教育の教育研究や実践を試みていました。
現在まで,小学校5校,中学校5校,高等学校4校を経験し,この本を書いた2023年度で,42年ほど,一教員として勤務しています。
4─研究のスタートその経緯
教育関係で環境関係の教育分野,すなわち環境教育について研究する機会を得ました。メンバーの全員が生物関係で,もちろん教育学部出身者ばかりです。
その後,各教育に関する理科を中心とする研究会に参加したり,自ら研究発表をしたのですが,どうもしっくりいかないことに気づいてきました。
理由は種々あるのですが,小中学校の教育界の教員は,ほぼ全部といってよいぐらい教育学部理科出身であり,工学部もしくは理工学部出身の理科の教員は,岐阜県内においておよそ皆無ということが分かりました。
したがって,教育学部理科の人たちや指導的な立場の方々に指導を受けてもマッチングがいかない部分が多々あり,ときには厳しく批判も受け全く認められないこともありました。
それなら一層のこと,自分で研究してそれを形にしていこうと決意しました。現在の環境で,研究ができる条件や内容を検討した結果,興味のあった,エネルギー・環境学関係の研究です。
環境のことを調べ,より良い地球環境を作り出すにはどうすべきか。環境に優しいと言われている自然エネルギーの研究をしてみたい。そして環境を通して,社会貢献できないかなどと考えました。