2-1-2 運指(指遣い)を探る
半音等の運指(指遣い)も、いきなり教えるのは、もったいないといえます。
例えば、いきなり「シb(シのフラット。またはラ#)の指遣いを覚えよう」といわれても、必要性を感じません。シb(ラ#)の現われる曲の演奏に取りかかる前とか、単に楽しむためにリコーダーでどんな音が出せるか実験するあそび等の状況下で、「シとラの間の音」を出す必要性が生じてから行います。
しかも、「どうやったらシとラの間の音を出せるかな。つくってみよう!」(【図4a】参照)と投げかけて、運指という知識・技能さえ、みんなで考えながら獲得していくようにします(思考の結果に得られるのが知識であり技能という在り方です。方法を突き止めて、音が出せれば技能、その方法を言語で説明できれば知識です)。
「ドから2オクターブ上のドまでのすべての音を見つけよう(つくってみよう)」と投げかけるのもよいです。
子どもたちは様々に試行錯誤して、次のような方法考えを出しました。
「指が1と2の間だから、1.5かな?」とつぶやいた子どもが2番の穴を半分だけ塞ぐと、確かにシb(ラ#)の音になっ
た(【図4b】参照)。
【前回の記事を読む】一本指打法の鍵盤ハーモニカからリコーダーへ。複数の指で一つの音を出すことに挑戦!