私達は羊腸(ようちょう)たると言いたい細い山径を上って行く、どこかでちろちろちろちろと世離れしたコオロギがなく、幾丈か脚下の渓流がかすかな音を立てている。ああしてひたすらな流れの末が俗な人間世界に落ちて行くのかと思うと何となく私達のここに来たことが尊く思われる。どこもかも四顧すればすべて楓樹霜葉(ふうじゅそうよう)の錦繍(きんしゅう)ばかりである。はらはらと頬にちりかかる紅葉の幾片! それ…
俳句・短歌
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『箕山遺稿』【新連載】驪城 卓爾
若くして亡くなった驪城卓爾(こまき たくじ)。短編小説、短歌、詩などを収録した遺稿集の復刻改訂版!
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『ひかえめな真理たち』【新連載】新田 済
【詩集】灰色の空に朝日が昇るように——ぎこちなくも優しい「始まりの笑顔」を描く一篇の詩
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『歌集 いのちの名 こころの風景 心の音』【新連載】出島 美弥子
【短歌3首】「たんぽぽ」線路脇 ひっそりと咲く たんぽぽの 風に揺られも 天向き咲かす
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『句碑と遊ぶ 改訂版』【第10回】松下 与志子
土方歳三が銃撃戦の最期に残した辞世の句に秘められた想いとは?
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『百人一首を〈私〉が選んでみました』【第8回】多田 久也
世界三大美人・小野小町が詠んだ“夢の恋歌”――今も胸をしめつける切なさ
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『神さまの隣』【第11回】桜井 莉麻
「いっそあなたと出会わなければよかった 過ごした時間の幸せが苦しみに上書きされて…」詩の奥に隠された物語を汲みとろう
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『世界平和よりもSEXY?』【第7回】桜ノ牧 晃
「理想の女性がいない」と嘆く男。女性陣から返ってきたのは“ボロクソ評価”だった
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『青鈴』【第4回】蒼 のり子
【句集】小樽築港駅付近にて――俳句でつづる小樽の街並み。「コスプレの 少年少女 スイートピー」他5句
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『日本語の盆栽である川柳よ』【第4回】信部 詩葉
「猫の部」より三句 「晩酌に 付き合ってくれる 猫の舌」ほか猫と人間の日々のひとコマを綴る
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『あーさん寄ってって』【第2回】北海 チカコ
クスっと笑える短歌集「好物は卵と豆腐安ビール 同じドラマを百回も見る」
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『道のり』【第2回】Akiko Smith
「ある時彼女のもとを訪ねたら、亡くなったことを知らされた」小学1年生だった私が感じたことを詩にのせて…
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『交差点』【第2回】Akiko Smith
つくしを見つけて誇らしげに差し出す子供らの手は、昨日と今日と明日をつなぐ命の証(あかし)のようだ
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『歌集 いのちの名 明日のみえない日もあった』【第6回】出島 美弥子
『歌集 いのちの名 明日のみえない日もあった』より短歌5首。「ジャポンと 河原で遊ぶ 水遊び 魚も躍る 心もオドル」
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『風狂を生きる』【第6回】総君
【自由詩】春の自由律俳句「杉の木 新芽 しんしんしんしんと 春の懐の手」
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『春の通り』【第3回】汐田 文香
視力を失った愛犬へ。もう君の瞳に私は映らない。それでも声と匂いで伝えたい「いつでもかわらず、君のそばにいること」
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『句碑と遊ぶ 改訂版』【第9回】松下 与志子
“鬼の副長”土方歳三、実は俳句好き? 怖れられた男の意外な一面
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『百人一首を〈私〉が選んでみました』【第7回】多田 久也
万葉集に宿る普遍の心――親子の情を詠んだ山上憶良と春愁を描いた大伴家持
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『神さまの隣』【第10回】桜井 莉麻
詩五篇「この想いは ただの偶像化に過ぎないのだろうか それでも あの子の内側を覗いてみたいと思う」
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『【終戦80年】戦争体験ピックアップ』【最終回】田中 祐子
【終戦80年】焼いている最中も、従妹の体はピクンと動く。「まだ生きとる!」と思っても「イヤ、死んどる」と焼き続けた。私は何を…
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『【終戦80年】戦争体験ピックアップ』【第11回】田中 祐子
【終戦80年】「焼け死ぬるけえ、早う逃げんさい」――ピカっとした瞬間、意識を失った。気が付くと潰れた家の下敷きになっていて…