はじめに

私は幼いころ、お菓子と本を枕元に置いて寝ていました。クリスマスのとき、サンタさんのプレゼントは電気スタンドでした。

数年前に仕事を退職し、そのころ見ていた俳句のテレビ番組が楽しかったこともあり、2021年4月から小樽老壮大学俳句科に通い始めました。時期としては、ちょうど体のあちこちに不具合を抱え、コロナに怯えていたころです。

私はそのころから、「明日は何をして過ごそうか」「どこへ行こうか」「何を食べようか」と、頭に浮かんだことや考えたことを、思うままメモに書くことを習慣にしていました。生きているといろいろなことがあり、いろいろな思いも湧いてきますね。

俳句教室では、俳句を作り始めるといろいろな発見があると教えられ、日々の暮らしの中でいつもより五感を働かせるようになりました。

すると、普段目にしていた景色、いつも歩いていた所に、見えてきたり聞こえてきたりするものがありました。

視覚:見る

触覚:触る

味覚:味わう

聴覚:聞く・聴く

嗅覚:嗅ぐ

五感を意識して暮らすようになると、発見することが増えてきます。さらっと五・七・五に言葉をのせられるときもあれば、こんなんじゃなかったなと、苦戦するときもあります。

俳句教室もなかなか刺激的です。

コロナ禍で、臆病なため行動範囲も狭かった私の三年間、俳句作りに励んだおかげでなんとか充実した日々でした。

小樽の人口は、現在約10万5千人です。

十年前に比べ2万人減少しました。高齢化社会の影響もあり、商店街にシャッターの下りた店も増えましたが、そんな街にも素敵な発見がたくさんあります。人が暮らしている所には、どこにでも素敵なものがたくさんあると思います。

小樽の街で俳句作りを目的に過ごした中、自分で良い俳句ができたと思えたとき、ちょっとした達成感を得られました。決まり事にあまり囚われず作ると、ちょっとした自由感も得られます。

私は難しい言葉は苦手です。私の作る俳句は、まったく俳句のことを知らない人でも「これなら私にも作れそう」「俳句と言われると難しい感じがするけど、この句はなんだか楽しそう」「身近に感じるわ」と思われるような俳句ばかりです。

なにげない生活の中でもいろいろ発見できた。コロナ禍から少し解放された。明日は何をしようかと考えているうち、思い立ったが吉日、縛られるものなし。今まで作った俳句をリュックに詰め込んでいました。そして、

空飛んで東京の春歩きけり

語彙力の乏しい私ですが、感性を込めました。