夕方六時過ぎのことである。一人の訪問者が予告なく《昴》に現れた。これまで世界的に注目される建築を設計し、多くの先駆的な論文を発表してきた、日本建築界の長老と目される建築家磯原錬三だった。年齢は既に七十歳を超えているというのに、背筋をしゃんと伸ばし、常に若々しく、青年のように張りのある体躯を維持していた。幅広い人脈を駆使し、エネルギッシュな創造を続けるその姿には、いつも皆、目を見張らされていたので…
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第6回】阿佐見 昭彦
日本建築界の長老に才能を認められた若き写真家
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第5回】阿佐見 昭彦
ポルトガル民謡ファドの流れる開店前のバー《昴》にて
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第4回】阿佐見 昭彦
「レゾンデートルを守らねば!」74歳・美術評論家の画策。
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第3回】阿佐見 昭彦
テムズ川から仄かな風。ビッグ・ベンの鐘が零時を告げた。
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第2回】阿佐見 昭彦
他殺の線が完全に否定されているわけでもない。
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【新連載】阿佐見 昭彦
ロンドンの高級住宅に一人で住む老人の身に何が起こったか?