李徳裕の視線の先は北の高台、偉容を誇る大明宮(唐王朝の宮殿)に向いていた。「昨夜の夢は、何かを予見するように思える……」「どんな夢をご覧になられたのですか」愛らしく丸い顔が横に立ち、裾の乱れを気にしながら、興味深気に李徳裕を覗き見ていた。「儂が羊の群に囲まれる夢だ」「羊ですか…………羊は私どもにはなくてはならぬ大切な家畜、沢山いたのですか」「一万頭いた」「そんなに沢山の羊が夢に出たのですか」「羊…
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東北地方の考古学研究の進展の痛手…治宇二郎が調査報告書を刊行できなかったワケ