酒蔵の入り口高くに、茶色く大きな玉が、ぶら下がっていた。直径一メートルほど、茶色いイガ栗のようだ。枯れた針葉だけで、できているらしい。表面は、三百六十度すべてチクチクし、白漆喰の壁面に吊り下げられている。いかにも、誇らし気だ。何かの呪(まじな)いにでも、使うのだろうか? 玲子は、初めて目にして、考えていた。「杉玉、またの名を酒林(さかばやし)と言います」背後から、穏やかな声をかけられた。振り向く…
小説
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『薔薇のノクターン』【第17回】高見 純代
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『異世界縄文タイムトラベル』【第41回】水之 夢端
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