【前回の記事を読む】腕時計を見ようと左腕を持ち上げると、繋いでいた二人の手は呆気なくほどけてしまった。先輩は「今夜はここまで。」と…「二階に窓が二つ見えるでしょ。その向こう側の窓が私の部屋の窓よ。角っこの部屋だから南側にももう一つ窓があるんだよ」白いアパートの壁を見ながら、贅沢な部屋だと夏生は思った。ひょっとすると、窓からお互い手を振り合う日が、やって来るかもしれないとも思った。突っ立ったまま街…
[連載]毎度、天国飯店です
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小説『毎度、天国飯店です』【最終回】竹村 和貢
金曜夕方、天国飯店は戦場だった。炒飯、天津飯、酢豚……次々と飛ぶ注文に応じてゆく
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小説『毎度、天国飯店です』【第16回】竹村 和貢
腕時計を見ようと左腕を持ち上げると、繋いでいた二人の手は呆気なくほどけてしまった。先輩は「今夜はここまで。」と…
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小説『毎度、天国飯店です』【第15回】竹村 和貢
「今日会ったばかりなのに、手をつないでくる女なの。私って」――彼女の指が俺の指を一本一本集めるように動き、されるがまま…
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小説『毎度、天国飯店です』【第14回】竹村 和貢
運動会の二人三脚レース、ペアの女の子の靴には大きな赤い丸い布が。「あた」「あた」のリズムで、ゆっくりと足が動き出す
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小説『毎度、天国飯店です』【第13回】竹村 和貢
「もう、あの鉄棒に触らんでおこうや。あいつらの掴んだところ、気持ち悪い」―― “みずいろ”学級の子たちを見た仲間は…
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小説『毎度、天国飯店です』【第12回】竹村 和貢
「“みずいろ”学級の先生からお話がありました」と話し始める担任。小学校6年生の秋…思い出すと、酔いが引いていった
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小説『毎度、天国飯店です』【第11回】竹村 和貢
朝は故郷から送ってくる米と味噌汁で食事を済ませ、昼は三百円までの食事を学生食堂でとる。
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小説『毎度、天国飯店です』【第10回】竹村 和貢
新入生歓迎コンパへ遅れていくと、既にサークル員たちでいっぱいだった。室内に満ち溢れている仲間のおしゃべりにたじろいだが…
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小説『毎度、天国飯店です』【第9回】竹村 和貢
この人は足の裏が地面から五センチほど浮いているのではないかという印象を夏生は持った。
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小説『毎度、天国飯店です』【第8回】竹村 和貢
「中華は速さが勝負やでぇ」止まらない客足に呼応するようにギヤがハイに!
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小説『毎度、天国飯店です』【第7回】竹村 和貢
店主の豪快な鍋振りに憧れて…。熱い音を立てて舞い上がるチャーハンの味は
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小説『毎度、天国飯店です』【第6回】竹村 和貢
サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。
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小説『毎度、天国飯店です』【第5回】竹村 和貢
先輩から「自分はなかなか呑み込みがええなあ。次から一人で入ってみるか」と言われ…
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小説『毎度、天国飯店です』【第4回】竹村 和貢
「やります」ここでバイトすることが初めから用意されていたように感じた
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小説『毎度、天国飯店です』【第3回】竹村 和貢
先輩が話す、中華料理屋のアルバイト事情。話している内に思惑が見え始め…。
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小説『毎度、天国飯店です』【第2回】竹村 和貢
上洛直後、突然訪問してきた隣人。晩飯に誘われ、生まれて初めての中華料理屋へ…
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小説『毎度、天国飯店です』【新連載】竹村 和貢
この部屋で四年間生活するんだなあ。本をたくさん読もう・・・