心なしかバーボングラスがいつもより揺れていたが、飛んでこないことを確認した我輩は少しばかり安心して気付かれないようにさりげなく座り直し、「そうですね。よりによって米国が一番嫌っている三国同盟の推進者、調印者という人物を送ってきても米国は絶対に信用しないでしょう。ひょっとすると日本側は『もはや日米交渉は進展の余地なし』と見切ったのかも知れませんね。見切った上で時間稼ぎをすることが本当の狙いかも知れ…
[連載]柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【最終回】坂田 憲治
大戦前、駐米大使の苦悩「日本側は『日米交渉は進展の余地なし』と見切ったのかも。米国側も、交渉決裂の意思表示と受け止め…」
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第19回】坂田 憲治
プロはそっと舞台袖に隠れて、最高のタイミングを窺う。成功が約束されたその時、『あいや、暫く!』と我々外交のプロが舞台中央に躍り出るのが最高の見せ場。
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第18回】坂田 憲治
走る緊張感。米国からの資産凍結、石油の禁輸。迫る一国をかけた決断!
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第17回】坂田 憲治
軍隊では命令の根幹は不動だが個々の作戦では現地司令官にある程度の裁量が与えられている。しかし外交交渉となると...?
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第16回】坂田 憲治
外交のプロの神業? ペテン師達の無責任な交渉の責任を負うのはたった一人…
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第15回】坂田 憲治
日本の役所が法案や改正案で好んで使用する「…等」と同じ「subject to」「of course」
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第14回】坂田 憲治
世に謂われる「日米了解案」。日米両政府で話し合われた七点とは?
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第13回】坂田 憲治
正式交渉とは関係ない四人がコソコソ相談している様は、怪しい気がすると進言するが…
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第12回】坂田 憲治
「黙れ! 交渉事には色々とあるんだ」と怒って席を立って出て行ってしまった…
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第11回】坂田 憲治
日本人特有の思い込み〝話せば分かる〞。現実は〝話しても分からない〞
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第10回】坂田 憲治
「駐米大使の補佐官兼シークレットサービス兼通訳」となって帰国した柴犬
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第9回】坂田 憲治
柴犬「日独が三国同盟でスクラムを組むと米国との交渉に大きな障害があるのでは?」
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第8回】坂田 憲治
愛犬ケン坊、ご主人に質問「この難しい時期になぜ駐米大使を最終的に引き受けたんですか?」
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第7回】坂田 憲治
"I get off here" は「揚げ豆腐ひや」!? 英語よりも日本語が通じる、奇妙な発音の米国英語
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第6回】坂田 憲治
日本にいる海外大使を「親日派」「反日派」で色分けするな!
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第5回】坂田 憲治
飼い犬の分際で「ご主人様、それは無茶な話だから止めた方が賢明です」とは言えず…
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第3回】坂田 憲治
柴犬「外交のガの字も知らないド素人」駐米日本大使(飼い主)唖然
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第3回】坂田 憲治
働きだす独特の嗅覚…駐米日本大使を拝命したご主人と犬の会話
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第2回】坂田 憲治
柴犬のケン、商社勤めの傍ら英語教授として大学の教壇に?
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小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【新連載】坂田 憲治
「人間種族の言語、知識、一般教養を持った柴犬」の自己紹介