やはり雨が降ってきた。始めは小ぶりだったので、二人とも油断していた。「傘持ってない」僕が言うと「大丈夫だよ」彼女は楽しそうに言う。しかし雨は本降りになった。「大丈夫じゃなかったね」「うん、走ろう」僕たちは手を繋ぎ、走った。歩いても走っても結果は同じだとしても走った。二人とも笑いながらずぶ濡(ぬ)れになりながら。花は散り緑の葉が眩しいほどに生い茂る頃、僕は博士に呼ばれた。来も一緒だった。分厚く巨大…
新着記事一覧
-
小説『ヒズミのなかの住人たち』【第6回】葉 リヒロ
【小説】データが処理しきれず熱くなる体「これは悲しいのか、嬉しいのか、怒りなのか」
-
小説『星空の下で』【第6回】つむぐ
背中を押してくれた先輩の言葉。お礼を言いたいのに…「どこに行ったのですか、先輩」
-
エッセイ『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし』【第6回】珠生 満ちる
【絵本】「いい子ね!」から一転…飼い主が子犬を遠ざけた理由
-
小説『奇想・追想・烏兎怱怱』【第2回】無才 安
感銘を受けるほどの漫才に会場は静寂無音。観客の「面白くても笑ってあげない」のワケ
-
小説『透視男』【第2回】上田 晄暉
「一体全体どうなっているんだ?」“憑き物”が見えるようになった男の混乱
-
小説『善悪の彼方に』【第2回】叶浦 みのり
【小説】わたしが空白の四時間の謎、もう一度調べてみる!「はぁあ?」
-
エッセイ『南半球の三日月』【第2回】久富 みちよ
「石を積んだ家が並ぶ中世のような村」に「小高い丘」。飽きることない景色に抱かれて
-
小説『レッド・パープル』【第2回】そのこ+W
【小説】「戦争の体験」――あの事件を避けて自分の青春を語ることは許されない
-
ビジネス『教員が変われない本当の理由』【第2回】有森 修嗣
「学校」を取り巻く諸問題の中で、最も気を遣うのは「教員」…!?
-
小説『ぼくの地球』【第2回】織部 和宏
【小説】その姿を一目見て…「彼は青春の彷徨の末にある境地に達した」
-
小説『奥会津の人魚姫』【第8回】西田 理酉
「悪いのはすべて俺なんだ」愛する女性との和解は望めそうになく…
-
エッセイ『私の戦争体験』【第3回】坂田 朱美,德重 心平
【絵本】「あのときのことを思い出すと今でも胸がどきどきします」
-
絵本・漫画『知らない世界』【第5回】丸岡 永乃
フレッシュなミントの葉の浮かぶ紅茶が二人の会話を弾ませて…
-
小説『見上げれば空はブルー』【第10回】EIKO
特に問題がある学校ってわけでもないし…多感な高校生の自問自答
-
エッセイ『保健師魂は眠らない』【第5回】真秀場 弥生
不眠の正体は「体力、気力ともにアドレナリン全開」ランナーズハイで挑んでいた派遣活動…!?
-
エッセイ『腐敗した医療製薬複合体によるワクチン薬害』【第3回】伊藤 裕幸
他の動物のウイルスがそのワクチンなどの培養物に乗り込んでくることってあるの…!?
-
小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第5回】坂田 憲治
飼い犬の分際で「ご主人様、それは無茶な話だから止めた方が賢明です」とは言えず…
-
小説『ザ・総選挙』【第11回】利根川 尊徳
どっしりとしたのは?中古車は?「ダメです!」ベテラン議員に学ぶ選挙用街宣車選び!
-
小説『俺たちのアビリティフォース』【第10回】藪坂 りーた
受け入れがたい大切な人の死…「現実逃避まがいの思考で抗った行動」が起こした奇跡
-
小説『迷いながら揺れ動く女のこころ』【第8回】松村 勝正
幸せそうな若奥様達の会話だが…それぞれが抱えた「他人には言いたくない心の闇」