なだらかな起伏を描き漠々と続く草原の直中に、何処から来て何所へ行くのかも分からぬかのように青年が一人、忽然と立っていた。青年の頭上には抜けるようなコバルトの青い空が広がり、陽が傾く西方の彼方に残雪を戴く峰々の輝きがあった。茫洋とした北の地平線に目を向ける青年の衣の裾は、足許の枯れ草と共に微風になびいていたが、光沢ある絹の衣は周囲の景色に馴染むことなく、浮き上がって見えていた。大地が醸し出す圧倒的…
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