【前回記事を読む】8年節約で2000万円貯蓄した妻。痛快なほどに家事をこなし、無駄な買い物一つしない。最初はそんな妻を自慢に思っていたものの…春彦はそんな郁子が大切にしてきたソファーに深く座りなおすと、目頭に手を当てて鼻をすすった。あれから二年の月日が経とうとしていた。春彦の知らない世界に行ってしまった郁子は、その二年間、頑なにそこから戻ってこようとはしなかった。そしてその間、よく熱を出すように…
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エッセイ『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第3回】山口 ゆり子
あれから2年、妻は度々熱を出すようになった。あの日、僕は妻の笑顔と二人の思い出を自らの手で台無しにしてしまったのだ。
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第8回】ホエラニア
「なぁ、何か言って」そっと肩に触れる。教えてくれよ、お前に何があったんだ? 何か言ってくれよ、泣くだけなんておかしいだろう、お前、お前。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第8回】大西 猛
数分にも満たない短いやり取りが、私の体を喜びで満たした...夏休みなんて欲しくなかった。たった一日あの人に会えないだけでも辛いのに、それが四十日間も続くのだ。
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エッセイ『最高のセカンドライフは海外転職で』【第8回】宮永 保文
いよいよ三十五年ぶりの学生生活の始まり!所属したクラスは十五名で、私以外の日本人は自分の娘より若い二十一歳の女性だけ
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絵本・漫画『しょぼくれしょぼ造』【第6回】アソウ カズマサ
学ぶ楽しさを覚えた春造。月に数回の寺子屋に通う途中、彼が出会ったのは自分と同じ境遇の子どもだった。
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小説『ネムとジド』【第8回】喜田 美樹
「おねがいです。どうか、この子たちをひきはなさないでください。」やせたジドに寄り添うネムを見て、母は訓練士に懇願する。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第8回】倉澤 兎
語られる両親の過去――父との離婚を考え逃げ出した母、バスの行き先は名古屋だった…
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小説『標本室の男』【第45回】均埜 権兵衛
彼女への淡い憧憬…これは決して口にしてはいけない。というよりも、本当の人間ではない自分には越えてはいけない一線だ。
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エッセイ『続・人災 子どもは親を選べない ~“毒親”は“家”を滅ぼす~』【第8回】深草 カオル
「いつまでも同じことを何べんも言うなーーーー!!!」腹の底からしぼり出すような大声で私は父に向かって怒鳴っていた
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小説『スクリーン』【第5回】山田 健太郎
天井をぼーっと見続ける。やっていない証拠、もしくは目撃者などいなかっただろうかと…
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評論『司馬遼太郎 啐啄の記』【第5回】辻本 康夫
【司馬遼太郎の謎】母について一言も話さないのと同じように、『芦名先生』についても意識的にふれていない。もしこの謎が解ければ…
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小説『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』【第13回】松谷 美善
ある朝、僕の日常は一変する。工場に出勤したときに大騒ぎになっていた。あるトラブルの原因を僕のせいにされ…
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エッセイ『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第2回】山口 ゆり子
8年節約で2000万円貯蓄した妻。痛快なほどに家事をこなし、無駄な買い物一つしない。最初はそんな妻を自慢に思っていたものの…
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小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第7回】ホエラニア
殺してやる...背中でもさすってやろうとした途端、お前の体が跳ね、僕の手が振り払われる。隻眼が僕の目を貫き、僕に襲いかかり、確かにこう言った。
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小説『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第7回】大西 猛
先生への思いは大きく私の心を支配した。皮肉に満ちた笑顔、優しく包み込むような笑み。数分間話しただけで、いくつもの知らないあの人を見た。
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エッセイ『最高のセカンドライフは海外転職で』【第7回】宮永 保文
配達員に私が住んでいないと言って荷物を受取拒否したアパートのマーケティング・オフィスのスタッフにクレームを言うと…
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絵本・漫画『漫画 渦巻いて 三河牧野一族の波瀾<古白編>』【第5回】岩瀬 崇典
一色城に勤め始めた頃、岩瀬忠家の千両村に美しいと評判の女がいた――その女が於夕であった
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小説『真夜中の精霊たち』【第5回】新見 上
彼女は他の女の子達とは違う。彼女ときたら、男がいる前で、お構いなしにガニ股で水の流れの中を踏ん張って洗濯しているんだから。
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小説『箱船へいらっしゃい』【第5回】葛西 雄一郎
畑へ忍び込んで作物を荒らしていたのは大豆のような虫――のはずが…
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小説『海の梵鐘』【第5回】波方 遥
教会に出入りしていた男が資金を詐取して逃亡するという事件が起きた。熱心だった若い牧師が責任を取る形で転勤させられ…