呪はれて病のつのる近衛帝
命かなはず隠れさせ給ひぬ
*久寿二(一一五五)年七月二十三日、崩御。十七歳。
掌中の珠うしなひし鳥羽院はふつふつと頼長を憎みけり
亜辣な謀りごとなり頼長は天狗の像の在り処を知らず
平安末期、国を二分する戦いが起こった。それは保元の乱と呼ばれる戦乱であり、古代から中世へと、貴族政治から武家政治へと時代を切り拓いていく端緒となった。
この乱の原因である天皇家と藤原摂関家の内紛から崇徳院の配流という結末までの経緯が詠まれた創作短歌を連載でお届けします。
呪はれて病のつのる近衛帝
命かなはず隠れさせ給ひぬ
*久寿二(一一五五)年七月二十三日、崩御。十七歳。
掌中の珠うしなひし鳥羽院はふつふつと頼長を憎みけり
亜辣な謀りごとなり頼長は天狗の像の在り処を知らず