あらぼりの観音像とも見ゆる岩 満ち潮よせて裾洗はする
航く船はほのかに見えて海境(うなさか)に つるべ落しの夕日が沈む
小春日の紀州田辺の蜜柑山 海のひかりを浴びてかがやく
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
あらぼりの観音像とも見ゆる岩 満ち潮よせて裾洗はする
航く船はほのかに見えて海境(うなさか)に つるべ落しの夕日が沈む
小春日の紀州田辺の蜜柑山 海のひかりを浴びてかがやく