いくたびも熊野にあそびし後鳥羽院 白足袋の汚れ気にもとめじや
雨あがり山襞ふかきみ熊野の 連なる嶺に雲立ちわたる
道にそふ杉生の下の冬いちご 木漏日さして紅く熟れゐる
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
いくたびも熊野にあそびし後鳥羽院 白足袋の汚れ気にもとめじや
雨あがり山襞ふかきみ熊野の 連なる嶺に雲立ちわたる
道にそふ杉生の下の冬いちご 木漏日さして紅く熟れゐる