【前回の記事を読む】私の前では滅多に泣かなかった娘…だがママ友には泣きながら本音を話していた。「あなたが我慢するからじゃない?」その一言がズシンと響いた

第2章 その後

1 二年目は現実逃避

話し相手のパパがいないからか、現実逃避か、私はテレビもよく観た。配信でも、ライブでも。

今までは気付かなかったけど、CMってわりと考えられているんだなーと思った。

家族が出てくるほのぼのCMは、やっぱり観たくなかった。

“羨ましいなぁ、いいなぁ、なんでうちにパパはいないんだろう?”

今までは気にも留めなかったところで、ザワザワする。

一人旅や、家族じゃないCMには共感が持てた。なんでだろう? 経験したことのない気持ちだ。私は、妬み嫉みとは無縁でここまで来たのだ。

姉にも、邪気がないと言われ、人が誰かを妬んだりする気持ちが理解できなかった。自分と人を比べるということをしないで生きていた。

それは、当たり前だと思っていたけど、段々と歳を重ねて、わりと珍しいタイプなんだと気付いたし、私って素直でいい子なんだー!と勘違いしていたのだ。

なのに、今こうやって、ただスーパーで買い物をしている老夫婦を見て、妬んでいる。

“いいなー、いいなー……”

そう、老夫婦限定で妬むようになった。

多分、若いカップルなどは自分が通ってきた道、愛情深いパパのおかげで経験あり! だったから、なんとも思わないんじゃないだろうか?

老夫婦は経験がない。この先、当たり前にパパとやるはずだった、ただの夕方のスーパーでの買い物、電車で他愛もない話をしながら目的の駅まで行く、そんな当たり前の光景を見ると、目を背けてしまう。

当たり前なんてないのに。妬まない性格は、私がすごいんじゃなくて、それは、そんな素晴らしい環境にいさせてもらっていただけだったんだ。

周りのおかげさまだったのだ。50歳を過ぎて気付かされ、感謝と後悔である。

これからは、私が子供たちや家族、スタッフを妬まない人間にする手助けをしていけたらいいなぁ。ちょっとずつでも。