次に袰岩怜雄が呼ばれた。彼は小柄で金髪のクールな美少年という印象だった。
「袰岩怜雄さん、21歳ですね。レアティーズ役で、剣でハムレットを傷つけるシーンがありましたが、剣はもちろん模造品だし、剣先に毒針を仕込んでいたということもなさそうだ。烈斗さんには外傷もありませんでしたからね」
尾崎の言葉に怜雄は血相を変えた。
「ちょっと待ってください。俺を疑ってるんですか?」
「申し訳ない。刑事というものは事件が起こるととりあえず全員を容疑者として考えるものだからね。でも君が犯人ということはありえないと思う。烈斗さんがあなたの双子の妹さんとお付き合いしていることに嫉妬したとは考えにくいからね」
「当たり前でしょ」
怜雄は不満げに答えた。
「実際のところ、どう思ってたんですか?」
「賛成はしなかった」
「ほう、どうしてです?」
「烈斗君には噂があったから」
「噂?」
「烈斗君は翔と付き合っているって」
「堀井さんと? つまり同性愛ってことですか?」
「ああ。もちろんそれを真に受けたわけじゃないけど、理亜にはよく確かめた方がいいんじゃないかって忠告はした」
「理亜さんは何と?」
「そんな馬鹿なことあるわけないと言って聞く耳持たなかった」
「そうですか」
「理亜も可哀そうなことをした。烈斗君を好きにならなければあそこまで苦しまなくて済んだのに」