【前回の記事を読む】亡くなった俳優について遺族に話を聞くと、父親は「血の繋がりはない」と告白…だが母親は「そんなことありません」と真っ向から否定して…

ダウト2――シェイクスピアを疑え

「烈斗さんと理亜さんの恋愛関係について何かご存じのことはないですか?」

瑠璃は沈鬱な表情をしてうつむいた。

「実は私は理亜さんとのお付き合いには反対していたんです」

「えっ、そうなんですか?」

「ええ、私が俳優同士の恋愛や結婚に随分悩まされましたから、烈斗には同じ苦しみを味わってほしくなかったんです」

「でも黒田さんはお二人で袰岩進さんのところにご挨拶に行かれたとおっしゃっていましたが」

「ええ、烈斗には私達から『二人の将来のことを考えてこの場は一回別れた方がいい』と説得して、納得してもらいました。でも理亜さんがどう思うか分からなかったので、進さんに理亜さんを説得してもらうようお願いに行ったんです」

「黒田さんは、進さんが『若いもん同士が恋愛をするのは当たり前だ』と言っていたとおっしゃっていましたが」

「ええ、そのようなこともおっしゃっていましたが、最終的には理亜さんを説得することで同意して頂きました」

「話が全然違うな、こりゃ……」

尾崎が呆れたように呟いた。

「烈斗君は何か持病をお持ちでしたか?」

天蓋が訊いた。

「いえ、あの子は若いのに健康オタクで毎年人間ドックも受診していたくらいです。刑事さん、もし烈斗が殺されたんだとしたら、絶対に犯人を捕まえて敵を取ってください。お願いします」

瑠璃は泣きながら頭を下げた。