【前回の記事を読む】「お会計は1,526円です」と伝えると、客が払ったのは1,500円だけ…不足を伝えると、「今出すとこだった、犯罪者扱い?」と怒鳴り始め…
サイコ10――古くて新しい人生
「実は君も気づいているとは思うが、この間から鮮魚コーナーの魚の在庫数と売上が合わないことがあるんだよ。
それで万引きを疑って調査していたんだけど、そういう様子は見当たらなかった。
それで気づいたんだが、君が鮮魚コーナーを担当した日に限って、魚が足りなくなっているんだ。
君、何か隠していることがあるんじゃないか?」
店長が月渚の顔のすぐ横に顔を近づけてきて、細い目でじろっと睨みながら訊いた。
「そんな、私、何もしていません」
「本当?」
「本当です。信じてください」
「まあまあ、落ち着いて。最初からそんなに疑心暗鬼になっても仕方がありません。とりあえず詳しく話を聞かせてもらっていいですか」
鍬下は月渚に椅子を勧めた。それからしばらく事情聴取が行われた。
「それでは、また話を聞かせてもらうことがあるかもしれません。何かありましたら交番の方にいつでもご相談ください」
そう言って彼は帰って行った。