【前回の記事を読む】「先生の目、恐い」数学の問題を解かせている最中、中学生の教え子は怯えた声でそう言った…俺は無意識に彼女を凝視していて……

第二景 陽葵

パラパラと百科事典を見てみると、確かに平易な日本語で、何か物語でも読んでいるようで実に面白い。英語の呼応してる部分も見る。

なるほど、平易な日本語で書かれている分、英語も親しみやすさを感じる。そこには小難しい文法表現というよりも、子どもが話すような、平易な英語で表現されている。

なるほど、確かに好奇心旺盛な陽葵に、ぴったりフィットしたのだろう。

次は学校の先生について訊いてみた。

「国語の先生はどんな先生?」

「うん、国語の先生はね、物静かな雰囲気で、とっても几帳面で生真面目な先生なの。小テストが毎回あるんだけど、どこがどう間違ってるか、添削して返ってくるんだよ。決して手抜きしないところが好きなの」

一クラスにつき週三くらいの授業があるはずだ。しかも、クラスは三十人ぐらいはいるだろう。

毎回の小テストに○×だけでなく、添削までするとは相当な労力を要する。物静かとは裏腹に、小テストというツールを通して、熱い心で生徒たちに向き合っているのだろう。

「英語の先生は?」

「うん、英語の先生は一言で言うと、チャラい感じなんだよね。ほんとは漫画家になりたかったみたい。出版社に持ち込みもしたみたいだけど、周りの才能に圧倒されて、教師になったんだって。だからね、授業にオリジナルの漫画を使って面白おかしく教えてくれるの。あとね、成績の良い生徒と悪い生徒を差別しないんだよ」

なるほど、たくさんの生徒に分け隔てなく接するというのは、難しいことだと思うし、とても大事なことだ。俺はここのところ先輩の押しに負けて、複数の生徒を受け持っている。それぞれの生徒を心ならずも比較してしまうことがあるから、

今、反省点を陽葵から教わった。そして、英語の先生は自分の強みを授業に活かしている。これは今後模倣していきたいものだとも思った。

授業を重ねるごとに、陽葵はめきめきと学力を伸ばした。これまでの学校の成績が嘘のようだ。