三 琉球諸島の沈んだ大陸
琉球諸島の地形と爬虫類相
琉球諸島は、九州の南西にあるサンゴ礁の島々が連なり、アマミノクロウサギやイリオモテヤマネコなどの哺乳類とハブなどの爬虫類の遺存固有種が多く、「東洋のガラパゴス」と呼ばれます。
動物地理学的には日本は旧北区と東洋区に大きく分けられ、旧北区が日本列島で、東洋区が琉球諸島にほぼ対応します。
そして、旧北区と東洋区の境界は奄美大島と九州の間にあるトカラ列島南部の悪石島と小宝島の間の水深が一〇〇〇メートルもあるトカラギャップに対応し、それは動物地理境界線の「渡瀬線」にあたります。
トカラギャップは、今から五〇〇万年前以降に堆積した火山岩などによって埋積されているため、現在は浅くなっていて、水深一〇〇〇メートルの等深線で琉球諸島と屋久島や九州がつながりますが、六〇〇万年前以前の中新世のころには今よりも深かったトカラギャップによって、琉球諸島と九州は海で隔てられていたと考えられます。
琉球諸島の爬虫類相を見ると、奄美・沖縄諸島のほとんどの爬虫類は小宝島以南を北限とするハブ属、リュウキュウアオヘビ、アオカナヘビからなります。
その爬虫類相は、シマヘビやアオダイショウなどナメラ属からなる日本の爬虫類相と比べて大変異なっています。
この奄美・沖縄諸島の爬虫類相の特徴は、奄美・沖縄諸島が日本列島と陸続きになったことがなく、むしろ台湾や南西側の大陸と陸続きだったことを意味しています。
【1】星野通平(1962)『太平洋』.地団研双書,地学団体研究会,136p.
【2】柴正博(2016)伊豆半島は南から来たか? 化石研究会会誌,49,35–43.
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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