お上を信じて服従する人

V氏の部下の一人に、G氏という人がいた。Y社に移った十一人のうち九人はX社に契約社員として籍を残しており、私以外ではG氏だけが派遣社員だった。

G氏は普通の人だった。P氏やV氏の性格については多くの人が進んで何かを述べていたが、個性があまり表に出ないG氏の人物像が語られることは少なかった。

S教授の研究室で一年ほど働いてからY社に移る直前に合流したG氏は、自分を大学に送り込んだP氏の所業についてはほとんど知らなかった。私にとって性格が明るく複雑な事情を知らない五歳下のG氏は、チームの末っ子のような存在だった。

しかしイノセントで欠点が特にない人であっても、同じ職場で長く過ごしていれば次第にその性格的な傾向を意識せざるを得なくなった。

彼は社交性を多少は備えていても気働きはあまりできず、今の研究職ではある程度の役割を果たせても、おそらく営業や接客などの仕事に就けば高い評価は得られない人だった。

その傾向は私にもあり、地道に実験をして日々を送っているという点でも似ているG氏についてとやかく言うのは気が引けたが、うかつに見過ごせない違いも彼にはあった。

 

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