三笠公園に着くと、亮介は公園の奥に進み、コンクリートでできたベンチに腰を下ろした。ここは日溜まりで暖かく、幸い風もなさそうだ。

海の向こうには猿島が見える。猿島は無人島だが、昼間は渡し船で渡ることができた。亮介は子供の頃何度か島に渡ったことがあったが、大人になってからは行くこともなくなった。

島の向こうには房総半島がかすんで見える。年末の頃から比べれば少し日射しが強くなったようだ。

日が当たる背中からじんわりと暖かさが染みてくる。亮介は紙袋からハンバーガーを取り出すと、一口ずつコーラで流し込んでいった。

公園での昼食を済ませた帰り、近所の酒屋に立ち寄った。

「こんにちは」

酒屋の店主は、店の奥で事務をしていたが、亮介の姿を見ると立ち上がってやってきた。

「ああ、間宮さんいらっしゃい」

「鍋をごちそうになるんで何か持っていこうと思うんですけど、何がいいですかね」

「日本酒? ワイン?」

「まあ、特に決めていないんですけど」

「そうね、お土産で持っていくならワインかな。予算はどれくらい?」

「3000円くらいかな」

「了解、ちょっと待ってね。えーと、これどう。白ワインでさっぱりして口当たりが良いよ。2400円」

「ああ。じゃ、それください」

「ありがとうございます。ラッピングするね。ちょっと待ってて」

店主は、ワインを奥の台に持っていき、緩衝材を兼ねた銀色のきれいな袋に入れてくれた。亮介は、礼を言って酒屋を出た。