「夢現(ゆめうつつ)な朝」

鮮やかな色彩が目の中に映える

テーブルにはオレンジとコーヒー

いつもの朝なのか

夢と現実の間(はざま)なのか

彼女がやさしく微笑んで

そこに居るだけで幸せで

この時ばかりは

ほかには何も要らなくて

その時

僕は満ち足りていたのだろう

知ることもない

それが彼女との最後の朝になるなんて

彼女の見え透いた嘘を

僕は信じたくなくてそう思いたくなくて

その日の彼女はとても綺麗だったから

 

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