「夕べ」
昨日は肌寒い夜だった
くつ下を履き
それからお茶を
床に入り
私は小さく息を吐いた
そして
彼に「おやすみ」を言った
一日のこと
思いを巡らせた
朝 目が覚めて
夕べは
小鳥たちの囀りの中に
すっかり消えてしまっていた
交わったり離れたり、時に絡まったり、交差していく人の心。
はっきりとした線引きはないけれど確かに訪れる季節から季節への移ろい。
乱れることなく一定のリズムで刻まれていく、どんなときも平等で静かな時間の流れ。
確実にそこにあるけれど、手で触れることのできない形のないものたち――。
どことなく切なさを纏わせながら心に響く繊細な短編詩集。
昨日は肌寒い夜だった
くつ下を履き
それからお茶を
床に入り
私は小さく息を吐いた
そして
彼に「おやすみ」を言った
一日のこと
思いを巡らせた
朝 目が覚めて
夕べは
小鳥たちの囀りの中に
すっかり消えてしまっていた