汐田 文香

1997年 生まれ。
日頃から言葉を認めることが多く、その中でも自身の内面や感情、移ろいゆく時間の流れを感じたままに言葉に描く。
旅先 広島の地で出会った方に「きっと、書く道に進んだほうがいいよ」と後押しされその後、執筆を始める。
本作『春の通り』より「青い魚」はその時の光景から着想を得て創作したものである。

掲載記事

書籍

  • 春の通り
    汐田 文香
    出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング
    <収録作品抜粋>

    「Prelude プレリュード」
    雨の匂い
    庭先の金魚草たちが踊る
    微かに響き合い
    静寂の波の中で
    音を織りなす
    それは
    自然の前奏曲のようで
    美しくその場を漂いながら消えてゆく
    ひとつ残らず

    「ライラック」
    紅茶を片手に
    喋り込む私とあなた
    時々 肩と肩とが触れる
    私は唇を噛む
    心が揺らぐ
    このまま二人で
    紫の海の中へ
    落ちてしまいたい
    永遠に