【前回記事を読む】静かに季節の移ろいを受け止める心──春の風景と小さな再会がもたらす、やさしく胸に響く3つの詩

「風のしらべ」

*この詩は目が見えなくなってしまった(白内障の)愛犬へ想いを綴ったものです

 

私が十三歳の時だった

これもまた何かの巡り合わせだったのだろう

イヌを飼う運びになり

白くてふわふわな毛を纏ったキミを迎えた

幸せや喜びを共に一緒に

そのたくさんの時間があって

いつもただ傍に居てくれることそのものが当たり前で

とても大切な存在だから

目が見えなくなってしまった今でも

風を感じてほしい

音やキミの名前を呼ぶ声

匂いでいつでも変わらずに此処に居ること

ひとりじゃないこと

そのすべてが希望としてキミの中に届いていてほしい

きっと届くことを信じて