俳句・短歌 詩 短編集 ことば 2026.02.01 彼女の見え透いた嘘を信じたくなかった。それが彼女と過ごす最後の朝になるなんて…… 「春月」 淡い光がフロントグラスを照らす 張りつめた心を やさしく包み込むように そっと 雲の切れ間から顔を覗かせて 「大丈夫」と それは 投げ掛けているみたいに
小説 『火点し時』 【新連載】 順菜 月に3回、同僚とホテルへ行く習慣ができた。職場の飲み会の帰りにそういう流れになって、恋人はいたけど止められなかった。 優人は仕事帰り、いつものように彼女のアパートに寄った。今夜も静子の帰りは遅い。優人はコンビニで買ってきた缶ビールとそば、するめをつまみながらしばらくテレビを観ると、風呂を済ませてからベッドに入った。十一時過ぎ、家主が帰ってきた。「お帰り」「来てたの……」静子は疲れているようだった。「風呂、追い焚きすればすぐだと思うよ。そんな冷めてないから」「うん、じゃあ入る」静子は言葉少なに風呂へ消えた。飲食店…
小説 『鮎川のほとり』 【第4回】 弥富 泰男 気になる同僚女性と二人きりになるために…男は“2枚だけ”クラシックコンサートのチケットを用意したが…… 【前回記事を読む】毎週のように訪ねてくる、父の教え子2人…母のお気に入りになり、「どちらかに、娘をもらって欲しい」*翌週から、総務課は忙しくなってきた。課長が課員を集めた。「社長からの提案で、当社もSDGsを導入する方針だ。富永君、SDGsの背景を少し調べてくれ」「承知しました。情報集めをします」「中間報告でいいから、三日以内にやってくれ」富永は、急に忙しくなってきた。国際会議室改装の件、オンラ…