俳句・短歌 詩 短編集 ことば 2026.02.01 彼女の見え透いた嘘を信じたくなかった。それが彼女と過ごす最後の朝になるなんて…… 「春月」 淡い光がフロントグラスを照らす 張りつめた心を やさしく包み込むように そっと 雲の切れ間から顔を覗かせて 「大丈夫」と それは 投げ掛けているみたいに
エッセイ 『心に秘めたオパールは虹色の輝き』 【第14回】 丸山 珠輝 「出来損ないの死に損ない」——母から吐き捨てられた言葉は私の心に突き刺さった。いつしか私は自死を考えるようになり… 【前回の記事を読む】生まれてきた赤ちゃんの泣き声は、蚊の鳴くようなか細い声だった。——その後、寝たきりの状態で6年がたち…珠輝には何故かそんな祖父の態度が子供心に引っかかった。珠輝の家ではこの頃から金銭を巡って朝食時の夫婦喧嘩が日課となった。これには父にも大いに責任があるだろう。いくら客商売とはいえ、昼近くに家を出て夜中近くに帰ってくる。その実稼ぎは少なく祖母たちによりかかるような生活態度だった…
小説 『~ to Lisa 僕は君を愛しています from Marlon ~』 【第5回】 藤城 奈緒 僕はママに甘えるように彼女に抱きつきたいと思ったけれど、頷くだけで精いっぱいだった。黒髪が揺れ天使のように… 【前回記事を読む】「大人になったらLisaと結婚するんだ。」5歳の僕は大好きな17歳の少女に会いにいくために用事をひねり出した陽の光を背にした祖父が無言で微笑み、Lisaの言葉に右手の拳で左胸を3回叩いて応え、僕らの顔を交互に見て頷いた。話が終わったのを見計らったように祖母が大きな音を立てて手を叩いた。「さあ、Marlon、Lisa。クッキーを食べ終えたら裏庭に花の苗を植える手伝いをしてちょうだ…