ちなみにお墓に建(た)てる卒塔婆(そとば)はその目印になると言われる大切な物なのです。
たまに檀信徒や信者さんから「住職さん、法名いらないのですが俗名で何とかなりませんか?」というような話をいただきます。
「俗名では十三仏さまにお会いして導いていただくことができないのです。いつまで経っても成仏できず本来あるべき場所に還れませんよね?」とお伝えしております。
このように仏教観の死後の世界では法名はとても大切なものなのです。
大切な方々が新たな旅立ちをしてからは現世への未練からか仏の世界へと辿り着くのはなかなか難しいのです。
そのために最初の内は七日ごとに導いてくださり、現世にいる私たちは大練忌(だいれんき)(四十九日)までのあたり日には祭壇に十三個のおだんごをお供えして各守り本尊さまにお祈りを捧げるのです。
浄土とも満中陰 (まんちゅういん)とも言われる場所に辿り着いてからは百カ日、一周忌、三回忌と間隔があいて、ゆるやかに導いてくださり、最後にお涅槃とも言われる三十三回忌の守り本尊であります虚空蔵菩薩さまの元へ還るのです。
現世にいる私たちからも分かりやすいように次の世界へ導いてくださるのが十三仏さまなのです。
十三仏さまの最後の御本尊である虚空蔵菩薩さまはそのお力からか御神仏の世界では親しみを込めて仏法大統領ともお呼び上げすることがあります。
仙台虚空蔵尊が仙台市内有数の浄域、パワースポットと言われる由縁は、本来あるべき場所に還る三十三回忌お涅槃の守り本尊である虚空蔵大菩薩さまが鎮座されている場所だからなのです。