【前回の記事を読む】朝晩の冷える冬は夜間頻尿の悪化は仕方がない…と、思いきや!? 適切な内服と生活指導で寒い季節にも対応できるのです…
健康や生活を脅かす夜間頻尿とどう向き合うか
[一]のまとめ
夜間頻尿がもたらす日常生活への影響(疫学調査)
・夜間頻尿の定義は、「夜間、排尿のために1回以上起きなければならない症状」ですが高齢者は2回以上です。
・夜間頻尿はまず前立腺肥大の影響をうけるが、そのうちに80代では過活動膀胱症状が加わりやすく、頻度を増して行くと思われます。早朝では血圧と関係すると思われます。80代になると膀胱機能次第で中途覚醒の際に排尿行動をとる機会が増える傾向が強いが、もちろん例外もあります。
・日本の疫学調査を夜間頻尿診療ガイドラインから拾い上げ、何が問題視されているのかを見ても当院の生活指導とかぶるのは季節要因のみで、代謝に関する調査、指摘はありませんでした。
夜間頻尿回数が健康のバロメーターになる
・高齢化していくにつれて生活が細り、それぞれの命運が決まって行きます。しかし、それに逆らい100歳までも生き抜く人も珍しく無くなってきた現実を見ると、泌尿器科的には夜間頻尿の状態が高齢者の命運を示す分岐点の目安になりそうだと思えてきます。
・流れに逆らって90歳になっても元気でいる人は、やはり生活に自己管理能力を維持し続けていることが多いのです。目標は今や90歳超えです。
・病気を繰り返して老年症候群になる人、ロコモ症候群やサルコペニアになり、フレイルとなる人、認知症が進んでコントロールができなくなる人など、様々な人間模様で施設入居となります。
・元気な人は夜間回数が少なく、入居になる人は排尿管理を諦めざるを得ないほどコントロールができず、オムツで管理されるのがほとんどです。