棚経の移動中に私が師匠に「お父さん、阿蜜慄帝(あみりてい)ってなんか食べる処みたいだね」と話しかけると師匠は「そう、食べる処みたいだよな、参詣者をおもてなしの心でお迎えできる〈阿蜜栗亭(あみりてい)〉を仙台虚空蔵尊で始めるのが夢なんだよ」と小学生の私に楽しそうに話してくれたのです。

あの日から三十五年の時間を経て「阿蜜栗亭(あみりてい)」とは命名ならなかったのですが仙台虚空蔵尊の中に「寺カフェ誉れ庵」として実現することができました。切実な想いでお参りなされる虚空蔵尊崇敬者及び参詣者をおもてなしの心でお迎えする休憩所、まさに師匠から受け継いだ仏心が宿る場所になっているかと存じます。

師匠が教えてくださったものは有縁無縁のご縁でいただいた命、仏さまが現れるように一心に身を投げ打って真言を実践し「いきいきと生きる」ことも出世の生き方であると思うのです。皆さまも何かと生きにくい時代ですが、心に仏心を宿し真言を心に置いて皆さまのご縁の中でいきいきと生きていただきたいと存じます。

誉れ庵とは  諸願成就を求め切実な想いでお参りなされる虚空蔵尊崇敬者及び参詣者をおもてなしの心でお迎えする休憩所です。