▼ 治療効果と抵抗性の季節変化

1回以内(≦1・5)の治療効果は、全ての月にわたって60代>70代>80代でその割合が多くなり、高齢化するほど減少傾向にあります。

しかし、80代でも6割以上が1回以内(≦1・5)になりうることを示しており、かなりの治療効果が上がっていると思います。

治療抵抗性の3回以上(2・5≦)は、逆に、80代>70代>60代の順でその割合が多くなっています。

よって、当院定期通院者は、高齢になるに従って抵抗性を示す夜間回数は、季節にそれほど左右されないが、年齢的に頻度が多くなることがわかりました。

3回以上(2・5<)はほぼ夜間頻尿の治療効果無しと考えていますが、それでも、70代が平均10%前後、80代は15%強程度と少なく、全月を通じて少なく抑えられたと思います。

これは生活指導が非常に効果的であり、季節にも対応できているし、全体的に夜間頻尿の治療効果が得られていると考えています。

しかし、高齢化が進むと生活指導に反応しなくなったり、過活動膀胱が増えると共にその中で治療抵抗性が出てくるのかもしれません。

強いていえば11月頃が70代以上の人に悪化する傾向がみられましたが、意味のあるものかどうかは不詳です。

一般的に、季節的対応をしていなければ、10月〜1月では全体的に夜間回数1回以上が時々多くなり、それが年代が上がるほど増えるのは、診察室ではよく経験することです。

当院の治療効果は、世代が高くなるにつれて1回以内の人が少なくなり、3回以上が増えていました。

80代は過活動膀胱の症状発生頻度が急増していく年頃です。その時、おそらく寒冷刺激による膀胱刺激と寒冷利尿も働くこともあり、3回以上が増えると思われます。寒冷利尿については後述します。