【前回の記事を読む】2016年の熊本地震と2005年の福岡県西方沖地震を体験――「天災は忘れたころにやってくる」

10.三人寄れば文殊の知恵

凡人でも三人集まって考えれば素晴らしい知恵が出る。「文殊」は知恵をつかさどる菩薩。 2016年6月

143名参加のパーティーの幹事が無事終わった。昔の仲間の同窓会みたいなパーティー。6人で幹事をやった。当日までに4回集まって会食しながら会の運営について企画した。会えない間はメールでひんぱんに連絡を取り、情報交換した。

まず、日程はどうするか、会場はどこにするか、どのようにしてどのくらいの人に声をかけるか、から始まり、宴会場との調整をし、だいたいの参加人数の見当をつけ、当日の態勢や流れを検討し、刻々と変わる出欠状況に対応した。

「時間的には、もう少し早い方がいいかも」

「あのころの姿を撮っているビデオを会場で流そう」

「なつかしい写真やグッズなどを会場にディスプレイしよう」

「遠くからみえた方にスピーチしてもらおう」

「これをお土産にしたらいい」

「こうして渡した方がスマート」

一人では考えつかないいろいろなアイデアが、6人の会話の中で広がっていった。

当日、幹事が会場に揃ってからの最終段階でも、「こうしよう」「あれを準備しよう」と、集まった皆が楽しめるように、最高のおもてなしができるように、会の運営がスムーズにいくように相談し、一人一人が率先して動いた。

おかげでパーティーは大盛況。受付を開始した直後から、あちこちで再会の喜びの歓声が上がった。美味しいお料理が残ってしまうほど、皆は多くの人との会話と会の進行に夢中になっていた。

なによりたくさんの人が集まってくださったからこその盛会だが、そうなるように企画した幹事の度量もまずまずだと思う。

三人寄れば文殊の知恵。

3人の倍の6人だったが、頼もしい仲間の知恵が集まると、こんなに素敵なパーティーができるんだと嬉しかったし、たいしたもんだなぁと感心した。なかでも幹事チームをまとめるリーダーの采配と力量とおもてなしの心には脱帽した。

約半年このことに関わった。このような機会をいただけたのはありがたかった。最高のメンバーで取り組めたのが嬉しかった。集まった皆が興奮に沸く姿を見ることができて、とても幸せな気持ちだった。終わってしまうと、ちょっと寂しい……。