11.旅の恥はかき捨て

旅先には知人はおらず長くいるわけでもないので、恥ずかしい言動も平気でやってしまう。 2016年7月

梅雨が明け本格的な夏となった。バカンスの季節でもある。

今年はなぜか、イタリアに行くという友人が多い。年明けから彼女らに私の大好きなイタリアの魅力をたびたび語っている。8月に行くという千葉の友人にも、メールで私が知っているイタリア情報を流した。そうしながら、自分の過去の旅を思い出した。

イタリアはスリや置き引きに巻き込まれないよう気をつけなければいけない旅先である。友人知人がバッグやクレジットカードを盗られたという話もたくさん聞いた。私も地下鉄でスリに遭ったことがある。その時はかなりショックだったが、それはまだ小さな被害だった。

それとはまた別の一人旅でのこと。イタリアの後にパリに寄った時、もっとひどい被害に遭った。ひったくり。転んで、引きちぎられ残ったバッグの取っ手を握り一瞬呆然となり、「これって、映画の犯罪シーン?!」と思った。すぐに立ち上がり大声をあげて追いかけたが無駄だった。持ち去られたバッグには、パスポートも現金も帰りの航空券も入っていた。

警察に行き犯罪証明書をもらい、航空会社に行き航空券を再発行してもらい、証明写真を撮るために写真屋に寄り、日本大使館に行きパスポートに代わる帰国のための書類をもらった。大使館では、被害に遭った時の状況を話し、自宅の電話番号を言って家人に娘だと証明してもらい、手続きを待った。本当に恥ずかしかった。

旅の恥はかき捨て。――そんなことをしていいとは思っていない。が、結果的にそうなってしまった。

その日一日、観光はできなかった。幸い、パリに赴任中の友人が夕飯をご馳走しながら話を聞いてくれ、翌日の観光にも付き合ってくれ、穏やかな気持ちで帰国することができた。

海外旅行に出られる皆さま、くれぐれも気をつけて楽しい旅をなさってください。

 

【イチオシ記事】朝起きると、背中の激痛と大量の汗。循環器科、消化器内科で検査を受けても病名が確定しない... 一体この病気とは...

【注目記事】どうしてあんなブサイクと妻が...亡き妻の浮気相手をついに発見するも、エリート夫は困惑。

【人気記事】二ヶ月前に被害者宅の庭で行われたバーベキュー。殺された長女の友人も参加していたとの情報が