【前回の記事を読む】「処置は適切だったのか?」疑問はあった。だが執刀医には完璧な“回答マニュアル”があるはずだ。なら私たちは納得するしかない
第四章 2015年(後)
12月15日(火)
丸山ワクチン
「日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設」(以下、「丸山ワクチンセンター」と記す)へ行って丸山ワクチン注射液を求めた。
いろんな行き方があるが、北行京浜東北線を田町で都営三田線に乗り換え、白山下車、というのが一番便利なようである。白山駅から徒歩15分強かかるが、それでもバスを使うよりこれが早いと思う。帰りは同線を引き返し芝公園で下りれば、勤務先会社は数分の距離である。
8時前に着き、一番乗りであった。私は今までの経過表、ワクチン注射の記録、直近の血液検査表などを出し、21日より抗がん剤治療(XELOX)を開始する、と話した。3週間1クールで半年間のコースである。
飲み薬に加えて、3週間に一度点滴のための通院が必要となる。8~9回ということになる。説明を聞いて下さった女医先生は、「現在A液B液を交互に射っていますが、化学療法で副作用の出方によってはA液の連続投与も考えましょう」とおっしゃってくれた。あとでそれを携帯電話で良子に伝えると、非常に喜んだ。
丸山ワクチンは、放射線治療や抗がん剤治療による副作用を抑制する効果が認められている。丸山ワクチンA液の同成分で更に10倍濃厚液である「アンサー20」は、放射線治療の副作用抑止剤として認可されている。健康保険の適用薬になっているのである。そのことを良子は知っている。
1週間1カ月3カ月半年1週間は無事に過ぎた。3カ月後に「お伊勢参り」はできるだろうか。それが当面の目標である。そして来年6月。良子は見事に戦い抜くであろう。
12月17日(木)
私自身のポリープ切除
今日は私自身の大腸ポリープ切除の日であった。1年前から決まっていた日程で、良子も当然承知している。本人が大腸がんを患うとは、夢にも思っていなかった。定期的なもので、私は「町内掃除」と呼んでいる。