伝書バトさんは、がっかりして言います。

「冷たいようだけど、それでいいのかな。カラスさんの近くで、しばらくは様子見させてよ」

カラスさんがわけ知り顔で、冷たく言います。

「今までと同じく、人間との主従関係のような感覚でいてもらうと、この里山では生きられないからね」

伝書バトさんは、何のことかよく理解できないけど、とりあえず頷きました。

ぎんちゃんが言います。

「カラスさん、そんなに脅さなくてもいいでしょうに。時々、夕暮れの会に来てくださいな。お話をしましょう」

一見穏便に終了させたという感じがしましたが、スッキリしない部分もあり、モヤモヤしているぎんちゃんでした。

本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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