腸閉塞の原因と、病状の程度により治療法も異なります。絞扼(こうやく)性イレウスと診断した場合は、全身状態が急激に悪化するため、緊急手術が必要です。閉塞性イレウスの場合は、腸閉塞の病態の悪循環を予防、改善することが大切です。脱水の改善、電解質異常の補正のため、適切な輸液を迅速に点滴投与します。
腸内細菌の増殖・毒素産生の予防のためには、これらの菌に感受性の高い抗生物質を点滴投与します。また、栄養管理の目的で中心静脈栄養(IVH)を行う事もあります。腸管内圧の亢進を改善するため腸管の減圧を行います。胃管やイレウス管を鼻から挿入して拡張した腸管内容やガスを吸引排除します。
イレウス管は胃を超えて小腸まで管を進めるため、直接拡張した腸管内容を排除でき有効です。また減圧したあとに、イレウス管より造影剤を注入し小腸造影することで、閉塞部位の診断にも役立ちます。軽度の癒着性イレウスなどでは、これらの保存的な治療で治癒することがあります。
しかし4~7日保存的治療を行っても、
●腹痛、腹部膨満などの症状が改善せず、排ガス、排便がない。
●腹部X線で小腸ガスの減少や消失がない。
●胃管やイレウス管からの排液量が減少しない。
●イレウス管からの造影で、腸管が完全に閉塞している。
などの場合は、保存的治療をこれ以上行っても治る見込みは少なく、手術が必要となります。手術はその原因と程度により、開腹して癒着剥離、索状物の切除、腸管の切除、吻合、人工肛門増設、などを行います。最近では、程度の軽い癒着性イレウスに対し、腹腔鏡下での手術も行われています。
これで見ると、4日から7日が勝負である。
「焦らないで、気長にがんばろう」と私は良子に言った。
私も沈んではならない。もう一度気合いを入れよう。
次回更新は4月19日(土)、20時の予定です。
【イチオシ記事】朝起きると、背中の激痛と大量の汗。循環器科、消化器内科で検査を受けても病名が確定しない... 一体この病気とは...