【前回の記事を読む】妻の状態が「緊急」ではないと判断されたのなら、良い状況ではあるが、よく分からない。なぜ、工程会議をスルーされたのか…
第四章 2015年(後)
10月17日(土)
文七元結
私には、何度観ても泣ける芝居が2本あって、それは、『一本刀土俵入』と、『文七元結』である。
今日は歌舞伎座で『文七元結』を観た。左官長兵衛を菊五郎、時蔵の女房お兼、角海老手代藤助 團蔵、角海老女房お駒 玉三郎。文七を梅枝、お久を右近が演じた。
素晴らしい舞台であったと思う。
右近のお久が可憐であった。
ただ結末の、角海老から身請けされ振り袖姿で戻ってくる場面は、着物の華麗さは良いのであるが、顔の塗りは抑えた方がよかったように思う。一晩しか経っていないのである。
歌舞伎がリアリズムでないのは承知しているが。
この二つの芝居でいつも連想するのは、聖書・ルカ伝の「よきサマリア人」の話である。「隣人とは何か」という問いかけである。
今日は実は、不愉快な出来事があった。
その件であい子は私を非難する。私は反論しない。ただメモに記しておく(この「メモ」は、子供たちへの遺言として記している。私が頓死せぬ限り、いつかの時点で、この文章を子供らに教えるつもりである)。