【前回の記事を読む】長寿命化社会は個人の人間力が輝く時代となる。同一世代間のみの交流は崩れ、異世代間交流をも巻き込んだ多様世代間交流に変わる。

第1章 直面する課題の概略~人生100年時代前夜

6.第2の人生こそ、人間力が問われる

第1章の要約 

1.定年退職以前は第1の人生、定年退職後は第2の人生

  100年時代の生き方を考えることは第2の人生を徹底的に考えること

2.第2の人生ではあてがいぶちの器は用意されていない   

   定年退職の転機は、それまでの転機とは性格・質ともにまるで違う

3.第2の人生の準備の時期は、個人個人の状況と価値観で決める

   あえて過去の経験や実績は捨ててみる

4.「やらねばならない」や「やらされている」感覚からの脱却を

   定年退職以降は、個を軸にした生き方を目指すべき

5.自己コントロール、自己制御のできる人になるべし

     労働で、お金、健康、活動の不安を一気に解決できる

6.知的でユーモアがある友人たちとの交流を

     第2の人生の主人公は自分自身

第2章 考え得る多様な対応へのアプローチ

1.人間は粒子の集まり

人は人生で一体何をすべきか? はたまた人間とはいったい何者であるか? 生命とは何か? 人生如何に行くべきか? など、古来あまたのホモサピエンス、哲学者や宗教家等が莫大な時間を費やして考えてきた。

それも全て人生50年以下の寿命期間の考察であり、さらにこういった問題、課題、イシューは形而上学的テーマであり、哲学分野のアプローチにならざるを得なかった。

我々人間はどこから誕生したかは明白である。この宇宙は約138億年前に無と思われる極小点(実際には特異点=シンギュラリティの前はよく分かっていない)から誕生した。急速に拡大したインフレーションの中で粒子が集まり星になり、銀河が生まれその先に約46億年前に地球が形成された。

その地球上で我々人間も誕生した。すべて宇宙の粒子のなせる業なのである。

それでは粒子の集まりである我々人間について本質的な証明をするためにはどうしたらいいのであろうか。